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尿路性器腫瘍

尿路性器腫瘍は泌尿器科系の臓器である腎臓や尿管、膀胱、前立腺などに腫瘍ができることです。

特に前立腺がんにおいては日本人男性が最もかかりやすい癌の一つとして昨今注目されています。

主要な尿路性器腫瘍についてそれぞれ説明していきます。

腎腫瘍

腎腫瘍は良性でも悪性でも初期の頃には症状を伴わないことが多く、ほとんどの患者さんが健康診断や人間ドックで見つかります

良性の場合は主に腎血管筋脂肪腫と呼ばれるもので悪性の場合は腎細胞がんと腎盂がんがあります。

初期症状はなくとも、腫瘍が大きくなるにつれて、血尿痛みも出てきます。

治療は良性の場合には経過観察や内服治療となります。悪性の場合にはそのがんの進行度合いによって、手術などそれぞれの状態に準じた治療をすることになります。

尿管腫瘍

腎臓と膀胱をつないでいる長い管を尿管と呼びます。

尿管は体に左右に1本ずつあります。腎臓で作られた尿は腎盂に溜められて排出するために尿管を通ります。

尿管に悪性の腫瘍ができる尿管がんは見てわかる血尿が主な症状です。進行してくると腰や背中などに痛みを生じることもあります。またおしっこをする時の痛みや頻尿なども伴う場合もあります。

腫瘍で尿管が塞がってしまうと腎臓の中に尿が溜まってしまう水腎症を起こし、ひどくなると腎臓が機能しなくなります。

治療はがんの進行具合によって異なりますが、手術療法、放射線療法など、薬物療法などがあります。

尿道腫瘍

尿道腫瘍には良性のものと悪性のものがあります。

良性のものは尿道カルンクルと呼ばれる尿道の出口にできる腫瘍やポリープ、尖圭コンジローマなどがあります。尿道カルンクルは高齢の女性に多く見られ、症状の出ないこともあります。

症状のない場合には治療はせずに経過観察をし、炎症がある場合などは塗り薬や内視鏡的治療をします。

悪性の尿道腫瘍としては尿道がんがあります。尿道がんは女性に多く見られるがんです。尿道がんの症状は血尿尿が出にくいなどの排尿障害も伴います。

尿道がんの治療も他のがん治療と同様に手術療法、放射線療法、薬物療法などそれぞれに準じた治療を行います。

膀胱腫瘍

膀胱はおしっこを溜めるための袋状になっている臓器です。

膀胱にできる悪性腫瘍は膀胱がんで、多くは膀胱の粘膜の表面に発生します。膀胱がんは40歳以上の高齢の男性に多く見られ、喫煙者は特になりやすい病気です

膀胱がんの症状の特徴としては肉眼的血尿という目で見てわかる血尿がでます。膀胱炎と違い痛みがないことが多いです。血尿は毎回出るというわけではなく、数日後におさまるために大丈夫だろうと自己判断で治療が遅れる場合があります。血尿が出た時には痛みや他に異常がなくともすぐに泌尿器科の受診をしましょう。

膀胱がんの治療はがんがどの程度進行しているかによって治療が異なります。早期の場合は抗がん剤やBCGを膀胱内に注入する治療をして様子をみます。進行していくと手術療法や化学療法を行うこともあります。

精巣腫瘍

精巣腫瘍とは男性の生殖器で男性ホルモンを作り出す臓器である精巣部分にできる腫瘍です。

精巣腫瘍は多くの場合は悪性腫瘍の精巣がんです。精巣がんは他のがんに比べると比較的若い世代にみられます。進行が早く発見された時にはすでに転移していることも多いのですが、抗がん剤の効果があり治癒する確率が高いものとなっています。

原因ははっきりとはしていないのですが、遺伝的な要因停留精巣といって精巣が陰嚢内に無い場合の発生率が高いとされています。

症状は精巣のしこり腫れですが、その他の発熱などの症状がないため、かなり進行してから発覚する場合も少なくありません。

治療は手術をして精巣の腫瘍を取り出したのち、転移などの状態によってそれぞれに準じた治療を行います。

陰茎腫瘍

陰茎腫瘍には皮下良性腫瘍という良性のできものができるものと、悪性の陰茎がんがあります。

良性の陰茎腫瘍には尖圭コンジローマや梅毒などの性感染症の場合もあります。陰茎腫瘍は良性でも悪性でも包茎の人に多くみられます

症状は亀頭部のしこりで痛みはありません。進行すると尿道などに侵食することで尿が出にくいなどの排尿障害もおこります。

陰茎がんは太ももの付け根の部分、鼠蹊部(そけいぶ)のリンパ節に転移がしやすいです。

治療は他のがん治療と同様に化学療法、放射線療法、抗がん剤療法、手術療法などを行います。特に陰茎腫瘍のように発生場所が言い辛い箇所の診察はひどくなってから来られる方も多いのですが、その時にはすでに進行している可能性が高いので、少しでも異変を感じたらすぐに泌尿器科の専門医への受診をおすすめします。

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